英語のbutといえば、「しかし」ですよね。
実は、もう一つあるんです。
それは、「~を除いて」。
たとえば、
We had no choice but to fire him.
彼を解雇する以外なかった。 [出典:ロングマン英和辞典]
解雇する(fire)ことを除いて、選択肢(choice)はひとつもなかった、ってことですね。
こんな風に、【前提】を示したあとで、それに対する【例外】を挙げるんです。
「~を除いて」のbutは、日本人にはあまりなじみがありませんが、現代英語ではかなり頻繁に使われる表現です。『ロングマン英和辞典』によると、話し言葉で使用頻度が最上位の「S1」、書き言葉でも2番目の「W2」に入っています。
ぜひ覚えておきたいんですが……いかんせん、覚えにくい!
先ほど挙げた文のように、否定形をともなうことが多く、日本語の感覚で考えて後ろから訳そうとすると、頭がこんぐらかってきます。
試しに後ろから訳すと、「彼を解雇することを除いていかなる選択肢も彼にはなかった」。
ぼくも高校時代から苦手で、実は、最近までずっと苦手でした^^
でも、ようやく覚え方がわかったので、この記事で紹介しているんです。
英語のbutといえば「しかし」ですが、「~を除いて」って意味もあります。割とよく使う表現なのに、日本語にすると「~を除いて~でない」みたいに回りくどくて、覚えにくいんです。そこで、僕が考えた、かんたんな覚え方を紹介します。よかったらどうぞ!!
【例外】の but
まず、みなさんがよく知っている「しかし」のbutは、品詞でいうと「接続詞」で使うことが多いです。文と文をつなぐように使います。
一方、「~を除いて」のbutは、「前置詞」です。of、from、in、to、behindなどの仲間ですね。
で、「~を除いて」のbutは、こう覚えてください。
【前提】がまずあって、それに対する【例外】を示す。
これだけ覚えれば、たぶん、大丈夫です。では具体的に、使用例を見てみましょう!
There’s no one here but me.
ここには私以外にだれもいない。 [出典:ロングマン英和辞典]
「no one here」が【前提】、but以降が【例外】です。つまり、「ここにはだれもいない」といっておいて、「けど私を除いては」。
どんどん行きましょう。
There was nothing to do but wait.
待つよりほかになかった。 [出典:ロングマン英和辞典]
「nothing to do」が【前提】、but以降が【例外】。つまり、「なにもすることがなかった」といってから、「待つことを除いては」。
こんな風に、【前提】→【例外】というパターンです。
ここに挙げたのはどれも辞書の例文ですが、ぼくが今朝たまたま読んでいた児童書にも、【例外】のbutが出てきました。
“When I said anything, I meant anything but my guinea pig.”
「『なんでも』って言ったのは、モルモット以外はなんでもって意味」
小学生男子の会話です。友だちに頼み事をして、なんでもあげるからさ~って言ったら、相手が、じゃあおまえの飼ってるモルモットちょうだい、って言ってきたので、「いやー『なんでも』っていったのはさあ……」と。
ちなみに、出典は『A to Z Mysteries: The Absent Author』といって、英語の多読によく使われる、やさしめの本です。【例外】のbutはやはり、ふつうに使う表現なんですね。
【例外】を示す用法だと覚えておけば、たいていのケースで間に合うと思います。
「しかし」とどうつながるの?
実は、この2つのbutはちゃんとつながっているんです。
おまけに、butには、第3の意味もあるとか!?
すみません、そんなに大した話じゃありません(笑。
あくまで応用の話なので、本文ではあえて書きませんでした。
長くなるので、別記事にしています。興味のある方はぜひ、こちらも読んでください。
